多田真由美「散歩の途中、ふと。」Mayumi Tada
2001.10.11-10.23




今まで、パンダのような像を使いながら絵を描いてきた。
描いている時はいつもどこかを歩いているような感じ、散歩の途中のような感覚だった。
それが近頃、ふと立ち止まってみた。
例えば大きな水槽を眺めていると、魚が目の前を通りすぎていく。
それはたえず流れていて長く同じ状態にはない。
ずっと見ていると、魚や水槽の中のものがぼんやりとした色と形になって
様々に動いているように感じる。そこには一定の時間が流れている。
様々なものの影がくっついたり離れたりしているかのように感じる。
それらをじっと見ているとふと、心を捕らえられる瞬間がある。
うっすらと光を感じる水の奥行きの中に、浮遊している色や形。
ふと立ち止まって、目の前に流れて来て、どこかに行ってしまうものを
のんびりと観察している、そんな感覚。